【感想】「「助けて」が言えない」松本俊彦

きっかけ

知っている精神科医の方からおすすめされたので読んでみた。というのも、いずれうつ病のような精神疾患を持つ人の支援ができないかと思ったのだ。

私自身がうつ病に苦しんでおり、そんな中周りの人に支えられて何とか生きている状態なのだ。私はこの状況にとても感謝していて、一方でそう都合よく周りが助けてくれない状況の人もいるのではと思った。

そんなことを話しているとおすすめされたのがこの本だ。

この本について

薬物依存、うつ病、性被害など、様々な状況における助けを求められない心理について語られている。どんな治療法がある、などではなく、患者さんがどういう風に感じることがある、という患者視点になっている。そのため、専門家でなくとも読みやすい本だと思う。

印象に残った部分

薬物依存者の「クスリをやりたい」気持ち

薬物依存患者が罰を受けることでより薬物を使用したくなるという話が印象に残っている。

1度捕まって、強い後悔をしたとしても、またやりたいという気持ちはそう簡単に消えない。捕まって終わりじゃないというのが薬物依存の本質だ。

薬物依存依存から抜け出す過程は0か1かの非連続なものではない。やりたいという気持ちが少しずつ減っていく連続なものなのだ。

当事者にしか見えない問題

男性の性被害において、恐怖と同時に性的興奮があるという話も目に止まった。

たとえ意図しない行為だとしても、性的興奮を覚えてしまうことがあるが、それが恥ずかしく、言い出せないといった状況があるそうだ。

先の薬物依存者が逮捕後に薬物をやりたいと感じることのように、助けたいと言えない状況は様々だ。

援助希求者からは見えるが、それ以外の人からは見えないマジックミラーのような壁がある。この事がより支援の手を阻んでいるのではないかと強く感じた。

おわりに

当事者にしか見えない問題というのが確かに存在することを知った。専門家の方がこうした本にしてくれていることに感謝する。

実際に当事者にしか見えない問題を解決するために、ピアスタッフというものがあるらしい。ピアスタッフは精神疾患の経験がある人が当事者に対して話を聞くなどのアプローチをとる仕組みだそうだ。目には目を、のようだがこれは効果があるのだろうと思う。

やはり辛い経験をしたからこそ、自分に出来ることがあるのではないか。この本は私にそういう希望を与えてくれた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA