【感想】「心理学[第4版]」鹿取 広人

とある大学の心理系学部の1年生が使用していた本。教科書として使われている実績から入門書としてちょうどいいかなと思い手に取った。教科書的な内容なので全部よみきるのではなく導入の部分+興味のある部分を読むことにした。

実際に行われた実験やその結果の表などが所々に見られ、キーワードは色付けにより強調される、教科書らしい体裁だった。そのため、初心者がどんなものかを知るにはちょうど良かった。

心理学というと人の心を操るような印象を持つ人もいると思うが、実際はそうではない。ものについての認知や反射、学習、記憶など、人の内面における活動の過程について研究されている分野だ。

そのため、よくある心理が分かる本みたいなものは、人の内側の活動の結果により現れる現象を見て、その内側を推測するという安易な逆説によるものだと思う。心理学に携わる人が「ああいう本にあるのは心理学じゃない」という理由が分かった気がする。

心理学は目に見えないものを対象とするため、学者たちは仮説となる因子をもとに実験を行い今日の心理学を築いてきたようだ。解き明かす材料としては、人が出力したもの(質問紙など)であったり、汗や心拍などの身体の情報であったりと様々である。対象となる年齢によっても認知機能の差が見られるため、実験における条件設定が非常に難しそうだと感じた。

また学習や記憶などを範囲としているので、教育学や教育工学といった部分にも繋がっていく。教育工学は自身も携わった分野なのでやはりこうした点からも心理学は興味深い。

学問としての心理学の基礎が記載されているので、人の心の動きについて知りたい場合は臨床心理学の方が求めるものに近いと感じた。実際そうした理由から臨床心理学の本と同時に行き来しながら読んだ。

なので、すぐに役立つ内容という訳では無いが、人の心を扱う仕事や研究を行う場合には一度読んでみるといいのでは無いかと思う。

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