【感想】伊藤計劃「ハーモニー」

PSYCHO-PASSのアニメ放映時だったと思う。
CMで伊藤計劃氏の作品が紹介されていた。
櫻井孝宏氏による朗読もツボにハマり、非常に興味を惹き付けられた。
程なくして「虐殺器官」と共に映画化がなされたこともあり、購入した。
…のだが、途中まで読んで積まれたままになっていたので再び読み直した。

この先はネタバレ注意。

WatchMeというシステムで身体の恒常性、つまり健康状態を管理する世界の下でストーリーは進む。
3人の少女がシステムにより身体を管理されることに反旗を翻すところから物語は始まる。

WatchMeは身体の管理をしているが脳の管理まではしていない。
しかしもし脳の管理までできたら、我々の意識や心と呼ばれるものはどうなるのか。
進化の過程で意識や心は必要なくなったのではないか、またそれらの在り方について考えさせられた。

実際私達の身体に残っている機能は生存競争の度に必要だったから残っているものがほとんどだと思う。
その機能の1つに「意識」が含まれているとは想像しなかった。
作者の発想に驚いた部分だ。

意識はどんな場面で必要だったのだろう。
人がものを考え始めた時期を、そういえば私は知らない。

意識が原因で自身を追い詰め、自殺に至るケースは現実の世界でも既に起こっている。
それで人類という種が滅びることには流石にならないと思う。
ただ自死を選ぶという時点で生き物として意識は致命的な弱点となっていると思う。

合理的な判断と意識、そして感情はおそらく別物だ。
であれば、弱点となりうる意識をどう使うか、どういう存在意義を持たせるか。
その答えを、現代に生きる私は探さないといけない気がする。

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